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慢性腎臓病とは?

慢性腎臓病とは?

慢性腎臓病(CKD: Chronic Kidney Disease)は、長期的な腎臓の異常により、その機能が徐々に低下していく疾患の総称です。腎臓の異常は自覚症状に乏しいため、進行するまで気づかないケースも多く、日本では新たな国民病とされるほど頻度が高い疾患群となっています。

心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患とも密接に関連しているので、早期発見と適切な管理によって進行を抑え、心血管疾患に至らないようにすることが大切です。症状を自覚してからでは手遅れの可能性もありますので、健診等でタンパク尿や血尿、腎機能異常を指摘された場合は、早めの受診をおすすめいたします。

慢性腎臓病の主な症状

  • むくみ(特に足首や目のまわり)
  • 疲労感・倦怠感
  • 息切れ
  • 尿の異常(泡立ち、色の変化、量の減少)
  • 夜中に何度もトイレに行く(夜間頻尿)
  • 慢性的な高血圧
  • 貧血 など

 
上記は初期段階では無症状のことも多く、これらの症状を自覚した段階では進行したCKDとなっている可能性が高いです。CKDの早期発見には、定期的な健康診断と、異常を指摘された際の速やかなクリニック受診が重要なのです。

慢性腎臓病の種類

腎不全

腎臓の機能が著しく低下し、体内の老廃物や余分な水分を十分に排出できなくなった状態です。急性と慢性があり、適切な治療を行わないと、最終的には透析や腎移植が必要になることもあります。

腎炎

腎臓の糸球体に炎症が起こる疾患群です。急性と慢性があり、進行すると血尿や蛋白尿、むくみなどの症状が現れます。原因は様々で、免疫系の異常が関与していることが多いです。

ネフローゼ症候群

腎臓の濾過装置である糸球体の障害により、大量の蛋白質が尿中に漏出する疾患です。むくみ、低蛋白血症、高脂血症などを特徴とします。他の腎臓疾患や全身疾患、薬剤の影響など原因は多岐にわたるので、適切な診断と治療が重要です。

糖尿病性腎症

長期の高血糖状態により腎臓の血管が障害を受ける疾患です。糖尿病の重要な合併症の一つで、日本の透析導入原因の第1位となっています。早期発見と適切な管理が極めて重要なため、糖尿病を患っている方は特に注意が必要です。

慢性腎臓病の治療

CKDの原因や進行度にもよりますが、低下した慢性腎臓病で低下した腎機能の完全回復は困難です。したがって、治療では病気の進行を抑えて、現状の腎機能を維持することが目標となります。

原因疾患の治療

慢性腎臓病の進行を遅らせるためには、原因となっている疾患の適切な管理が不可欠です。例えば、糖尿病性腎症の場合は血糖コントロールを、腎炎の場合は炎症を抑えるための薬物療法などを行います。定期的な検査と治療の調整が重要です。

生活指導(食事療法、運動療法、禁煙など)

腎臓に負担をかける生活習慣を改善します。主に食事療法(減塩、低タンパク質食など)、運動療法(運動の習慣化)、禁煙などが挙げられます。特に食事療法では、病状や個人の状態に応じて、管理栄養士による詳細な指導を受けることもおすすめです。

患者様の症状やライフスタイルに合わせ、無理なく続けられるように医師がサポートいたします。

薬物療法

高血圧の管理、貧血の改善、むくみの軽減などを目的として、様々な薬剤が使用されます。代表的なものには、降圧薬(血圧コントロール)、利尿薬(むくみ改善)、貧血改善薬などがあります。

人工透析・腎移植

腎機能が著しく低下し、上記の療法では管理が困難になった場合は、人工透析(血液透析・腹膜透析)や腎移植が検討されます。患者様の状態や生活スタイルに合わせて検討・選択する必要がありますので、気になる点がございましたら、当グループのクリニックへお気軽にお問い合わせください。

人工透析については こちらもご覧ください。

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