繰り返す頭痛を「いつものこと」にしない。中医学と一緒に考える、痛みとの付き合い方

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繰り返す頭痛を「いつものこと」にしない。中医学と一緒に考える、痛みとの付き合い方

2026.11.07
繰り返す頭痛と中医学の相談

朝晩が涼しくなり、外出しやすくなる秋。それなのに、頭痛が気になって予定を決められない、仕事の合間に痛み止めを飲む日が増えている。そんなお悩みはありませんか。「以前から頭痛持ちだから」と、つらさを当たり前にしてしまう方もいらっしゃいます。

頭痛は、痛む場所や強さだけでなく、続く時間、一緒に起こる症状、生活への影響まで伺うことで、対処の方向が見えてきます。中医学でも、頭だけを切り離さず、睡眠、胃腸の状態、冷え、月経などを含めて診ていきます。今回は、必要な検査や現代医学の治療を大切にしながら、中医学をどのように役立てられるかをご紹介します。

最初に、「いつもと違う頭痛」を見逃さない

中医学の相談を考える前に、急いで確認したい頭痛があります。突然始まった経験したことのない激痛、手足の麻痺や言葉の出にくさ、意識の異常を伴う頭痛は、救急受診が必要です。発熱と首の強いこわばりがある場合も、様子を見続けないでください。

頭を打った後から続く頭痛、これまでとは違う頭痛が増していく場合、初めての頭痛が中高年になってから現れた場合なども、早めの診察が大切です。「天気のせい」「肩こりだろう」と決めつけると、別の病気の発見が遅れることがあります。

これからお伝えする生活の工夫や漢方の考え方は、危険な病気の確認に代わるものではありません。いつもの頭痛がある方も、今回の痛み方や一緒に出ている症状が違えば、その変化を優先してお伝えください。

「頭痛」という名前は同じでも、治療は一つではありません

頭痛には、片頭痛や緊張型頭痛など、いくつかの種類があります。脈打つように痛む、動くとつらくなる、吐き気や光・音への過敏さがある。あるいは、頭を締めつけられるように感じる。こうした違いは診察の手がかりになりますが、痛み方を一つ選ぶだけで種類が決まるわけではありません。

診察では「痛かったけれど出勤できた」「家事を中断して横になった」「会議を欠席した」など、実際にできなくなったこともお知らせください。痛みの強さを数字だけで説明するより、困っている場面が伝わりやすくなります。仕事を休んでいないから軽症、ということでもありません。

頭痛治療には、起きた発作に対応する治療と、発作の回数や支障を減らすための予防的な治療があります。痛むたびに同じ薬を買い足す以外にも相談できることがあります。薬が十分に効かない、使う日が増えてきたという変化も、治療を見直すきっかけにしてください。

中医学では、「証」を診察から組み立てます

中医学の「証(しょう)」は、その時点の症状や体の状態を、伝統医学の枠組みで整理したものです。「頭痛があるからこの証」「冷え性だから一生この証」と固定的に決めるものではありません。同じ頭痛でも、全身の状態や経過によって、処方の考え方が変わります。

その判断の材料を集めるのが四診です。外見や舌などを観察する望診、声やにおいなどを手がかりにする聞診、症状や暮らしを伺う問診、脈やお腹などを確認する切診を合わせて考えます。舌の写真だけ、あるいはチェックリストの数項目だけで、ご自身の処方を決めることはおすすめしません。

頭痛の相談でも、食欲、便通、眠り、疲れやすさ、冷えやのぼせについて尋ねることがあります。「頭が痛いのに、なぜ胃のことを聞くのだろう」と思われるかもしれませんが、処方を検討するうえで全体像を把握するためです。関係がなさそうに思える不調も、遠慮なくお話しください。

天気、冷え、月経との関係も、決めつけずに伝える

「雨の前に頭が重い」「忙しい時期に胃のむかつきも出る」「月経の前後で痛む日が違う」。こうしたご本人の気づきは、大切な情報です。一方で、一度重なっただけでは原因とは限りません。何回かの経過を振り返り、同じ傾向があるかを確かめていきます。

中医学では、水分の扱い、冷えや熱の状態、気や血の状態など、伝統的な見方から症状の組み合わせを整理します。ただし、これらの言葉は現代医学の検査値や病名と一対一に対応するものではありません。「水の問題」と説明されても、直ちに水分を制限するという意味ではない点にご注意ください。

月経や更年期の変化が気になる方は、頭痛が起こる時期と、ほてり、発汗、睡眠の変化などを一緒にお伝えください。ホルモンの影響だけで説明しきれない場合もあります。更年期だから我慢する、漢方だけで様子を見ると決めず、必要な評価を受けながら方法を選びましょう。

漢方薬には、どのくらい根拠があるのでしょうか

日本の「頭痛の診療ガイドライン2021」では、頭痛に対する漢方薬について検討され、弱い推奨として位置づけられています。例えば呉茱萸湯(ごしゅゆとう)には、効果を示した方を対象に、偽薬と比較した研究があります。選ばれた患者さんでの結果を、すべての頭痛に同じように効くと広げることはできません。

五苓散(ごれいさん)など、ほかの処方も診療で検討されますが、「雨の日の頭痛なら必ずこの薬」という選び方は適切ではありません。病状、体の状態、他の薬との組み合わせなどを確認したうえで判断します。漢方薬の選択は、頭痛の種類を評価することと並行して行います。

また、決まった配合の漢方製剤を調べた研究と、一人ひとりに合わせた生薬処方は、区別して考える必要があります。ある製剤の研究結果が、そのまますべての煎じ薬の効果を保証するわけではありません。期待できることと、まだ分からないことを共有しながら、続けるか、見直すかを相談していくことが大切です。

痛み止めの「量」だけでなく、「飲んだ日数」を確認しましょう

頭痛薬を使う日が増えることによって、かえって頭痛が頻繁になる場合があります。これは薬剤の使用過多による頭痛と呼ばれます。単に一回の錠数が多い場合だけの話ではなく、どの薬を、月に何日使っているかが重要です。

診断に関わる日数は薬の種類によって異なります。市販薬、処方薬、複数の成分が入った薬を使い分けている場合もあるため、商品名やお薬手帳を見ながら確認します。「いつもの薬が効かなくなった」「飲まないのが不安」と感じたら、量を増やす前にご相談ください。

ただし、この説明を読んで必要な薬を我慢したり、予防薬まで一斉にやめたりする必要はありません。どの薬をどのタイミングで使うか、減らす必要があるかは、治療内容を確認して決めます。漢方に替えればすべて解決すると考えず、今使っている薬を含めて整理しましょう。

今日から始める、負担の少ない頭痛メモ

細かい日誌が苦手な方は、カレンダーに頭痛があった日を印すところからで構いません。余裕があれば「いつから、どのくらい続いたか」「吐き気や光・音のつらさ」「飲んだ薬と効き方」「生活でできなかったこと」を一言ずつ書いてみてください。頭痛のない日も分かるようにすると、経過を振り返りやすくなります。

中医学の相談では、冷え、胃の不快感、便通、月経など、その日に気になったことを一つ添えるのも役立ちます。「午後から痛み、会議を途中退出。胃もむかむかした」といった普段の言葉で十分です。正しい医学用語を使おうとしなくて構いません。

記録は、ご自身の生活を責めるためのものではありません。寝不足だったから悪かった、と一人で結論を出すのではなく、診察で相談する材料としてお使いください。記録が何週間もたまるまで受診を待つ必要もありません。以前の検査結果や、お薬手帳と一緒にご持参いただければと思います。

MMC虎ノ門で、頭痛と体全体の状態をご相談ください

みらいメディカルクリニック虎ノ門では、内科・漢方内科の診療をご案内しています。公式サイトでは、四診を通した診察、一人ひとりに合わせた生薬処方、医療用エキス剤などの選択肢を紹介しています。漢方治療を希望される場合も、現在受けている治療や、これまでの検査についてお知らせください。

市販薬やサプリメントも含めて確認し、現在のお困りごとに合う方法を相談します。予約方法や診療時間は公式ホームページの最新案内をご確認ください。急に始まった激しい頭痛などは通常の予約を待たず、救急受診を優先してください。

繰り返す頭痛は、「体質だから仕方ない」と一人で抱える必要はありません。痛みの特徴と、体全体の変化を一緒に整理することで、相談の糸口が見えてきます。痛む日だけをしのぐ生活から、つらい日を減らすための相談へ。ご自身に合った治療と暮らし方を、一緒に考えていきましょう。

受診時には「痛みを軽くしたい」だけでなく、「休日の外出を楽しみたい」「仕事の途中で休む日を減らしたい」など、取り戻したい日常もお聞かせください。治療後の変化を一緒に確認する目標になります。

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