健診で血糖・HbA1cが高いと言われたら。「症状がない」今から始める見直し方

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健診で血糖・HbA1cが高いと言われたら。「症状がない」今から始める見直し方

2026.11.01

血糖管理を支える食事と運動のイメージ

健診結果の血糖やHbA1cに印が付いていても、「甘いものはそれほど食べない」「体調はいつもどおり」と、そのままになっていませんか。血糖が高い状態は、自覚症状が乏しいまま続くことがあります。気になる結果は、体からの早めの相談のきっかけとして受け止めていただければと思います。

糖尿病は、食べ過ぎだけで説明できる病気ではありません。体質、年齢、インスリンの出方や効き方、薬、ほかの病気なども関係します。ご自身を責める必要はありません。今回は健診結果をどう読み、何を確認し、生活と治療をどう組み合わせるかをご紹介します。

1)血糖値とHbA1cは、見ている時間が違います

血糖値は、採血した時点の血液中のブドウ糖の濃度です。食事からの時間、体調などによって変わります。同じ「血糖」でも、空腹時に測った値なのか、食後に測った値なのかを確認することが大切です。健診のための絶食が必要だったか、何時に最後の食事を取ったかも診察の手がかりになります。

一方、HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)は、赤血球の中のヘモグロビンに糖が結び付いた割合を表し、主に過去1〜2か月の血糖の状態を反映します。採血当日の食事だけで大きく変わる指標ではありません。そのため、検査直前の数日だけ食事を控えるよりも、毎日の暮らしを見直すことが重要です。

ただし、HbA1cは血糖の上下をすべて映すわけではありません。平均的な値が同じでも、食後に大きく上がる方や、治療中に低血糖を起こす方がいます。血糖値とHbA1c、症状、過去の推移を合わせて評価します。結果表は数値の部分だけを切り取らず、全体をご持参ください。

2)「高め」と「糖尿病の診断」は同じではありません

「糖尿病型」と判定される検査値

検査項目 糖尿病型の基準
空腹時血糖値 126 mg/dL以上
75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)の2時間値 200 mg/dL以上
随時血糖値(食事からの時間を問わず測定) 200 mg/dL以上
HbA1c 6.5%以上

表の値に当てはまることと、糖尿病の診断が確定することは別です。原則として、別の日に糖尿病型を再確認し、少なくとも1回は血糖値で確認します。HbA1cだけを繰り返し測っても診断は確定できません。

  • 同じ採血で血糖値とHbA1cの両方が糖尿病型なら、1回の検査で診断できます。
  • 血糖値が糖尿病型で、典型的な症状(口渇・多飲・多尿・体重減少)または確実な糖尿病網膜症がある場合も、1回の検査で診断できます。

血糖値の診断基準は医療機関で測定する静脈血漿の値です。家庭用測定器や持続血糖測定(CGM)の値だけで診断しません。75gOGTTの2時間値は、普段の食事から2時間後の血糖値とは異なります。

糖尿病型の目安には、空腹時血糖126mg/dL以上、随時血糖200mg/dL以上、HbA1c6.5%以上などがあります。ただし、HbA1cが一度高かっただけで、すべての方の糖尿病が確定するわけではありません。原則として検査を組み合わせ、血糖値による確認を含めて判断します。同じ採血で血糖とHbA1cの両方が糖尿病型の場合など、1回の検査で診断できることもあります。

一方、基準をわずかに下回っていれば、今後も安心という意味ではありません。前回から上昇している、家族に糖尿病の方がいる、体重が増えたなどの情報も大切です。必要に応じて再検査や、ブドウ糖を飲んだ後の血糖の変化を見る検査を検討します。どの検査が必要か、いつ受けるかは診察でご相談ください。

受診前に数値を下げてから行こうと待つ必要はありません。また、検査に合わせて自己判断で薬を抜いたり、長時間食事を取らなかったりすると危険な場合があります。食事と服薬の扱いは、予約時にご確認ください。妊娠中や妊娠を希望されている方は、そのことも最初にお伝えください。

3)症状がなくても確認するのは、将来の体を守るためです

血糖が高い状態が長く続くと、目の網膜、腎臓、神経などに負担がかかります。血圧や脂質の異常、喫煙などが重なると、心臓や脳の血管の病気への対策も重要になります。血糖の数字だけを見るのではなく、体全体の状態を確認することが治療につながります。

診察では、血圧、体重の変化、腎機能や尿の検査なども必要に応じて確認します。糖尿病と診断された場合は、眼科での定期的な評価が必要になることもあります。当グループの内科・糖尿病内科で相談の入口を担い、必要な専門診療と連携します。見えにくくなってから、足がしびれてから、という待ち方はおすすめしません。

のどの渇きが強い、飲む量や尿の量が増えた、食べているのに体重が減った場合は、次の健診まで待たず受診してください。さらに、強いだるさ、嘔吐、腹痛、速い呼吸、意識がぼんやりするなどを伴う場合は、速やかな医療機関への相談が必要です。意識がおかしい、呼吸が苦しい場合は119番を含めて対応してください。

4)食事は「何を禁止するか」より、続けられる組み立てを

最初の一歩として、飲み物と間食の記録をご提案します。加糖のコーヒー、清涼飲料、スポーツ飲料などを習慣的に飲んでいれば、水や無糖のお茶に替えられる場面を探してみましょう。甘い飲み物は、食事とは別に取っていることを忘れやすいため、量も一緒に書いておくと振り返りやすくなります。

食事は主食、魚・肉・卵・大豆製品などの主菜、野菜などの副菜を組み合わせ、全体の量を調整します。「糖質だけを抜けばよい」と、ご飯を極端に減らして肉や脂質を増やす方法を一律にはおすすめしません。必要なエネルギーや栄養の配分は、年齢、体格、活動量、腎機能などで異なります。

例えば、昼食が麺とおにぎりだけになりやすい方なら、主食が重なる部分を見直し、主菜や副菜を組み合わせる方法があります。夜遅くに大量に食べる習慣がある方は、仕事の時間も含めて相談しましょう。家族と別の特別食を作ることから始めなくても、量や組み合わせを変える余地があります。

体重が少ない方や、食が細く筋肉が減っている方に、減量を一律に勧めることはありません。高齢の方では栄養不足やフレイルにも注意が必要です。腎臓の病気がある方のたんぱく質などの制限も個別に判断します。食事の写真を数日分残すだけでも、無理なく続く計画を考える助けになります。

5)運動は、筋肉を使う時間を少しずつ増やすところから

2型糖尿病では、歩行などの有酸素運動や筋力を使う運動が、血糖管理に役立ちます。筋肉はブドウ糖を利用する大切な場所です。食事を減らすことだけに集中せず、体を動かし、筋肉を保つことも意識しましょう。最初から長距離の散歩やきつい筋力トレーニングを始める必要はありません。

運動制限のない方なら、体調のよい日に短い散歩を取り入れる、座りっぱなしの合間に立って家の中を歩くなど、生活の中に小さな機会を作ってみてください。続けられた時間を記録し、体力に合わせて増やします。膝や腰が痛い方は、できる動きや負荷を診察で相談しましょう。

ただし、強い高血糖や体調不良、心臓の病気、進んだ合併症、足の傷などがある場合には、運動の種類や開始時期の調整が必要です。治療薬によっては運動時や運動後に低血糖が起こります。冷や汗、震え、動悸などが出たら運動をやめ、あらかじめ指示された対処を行ってください。胸痛や強い息切れ、ふらつきがあるのに無理を続けないでください。

生活を振り返るときは、できなかった日の理由も大切な情報です。残業で夕食が遅くなる、介護で外出が難しい、痛みがあって歩けないなど、実際の事情をお伝えください。目標を小さく分ければ取り組みやすくなる場合があります。まずは飲み物を一つ替える、休憩中に立つなど、一つの習慣から始めましょう。

ご家族も、食べたものを責めたり、体重だけで評価したりするより、一緒に食事の組み合わせを考える、散歩に付き合うなどの形で支えていただければと思います。記録は採点のためではなく、次の工夫を見つけるために役立てます。

6)薬を使うかどうかも、数値と体の状態で決めます

生活を見直しても目標に届かないときや、早い段階で血糖を下げる必要があるときには、薬物療法を組み合わせます。薬が必要になることは、努力が足りなかったという意味ではありません。インスリンが不足する程度や、腎臓・心臓の状態、低血糖の起こりやすさなどを考えて治療を選びます。

飲み薬や注射薬にはさまざまな種類があり、同じ数値でも適した治療は人によって異なります。インスリン治療を早く始める必要がある病態もあります。ご家族の薬を使う、市販品やサプリメントで代わりにする、数値が下がったので自己判断で中止することは避けてください。

体重や心臓・腎臓も考えた薬の選択

近年は、血糖を下げるだけでなく、体重や心臓・腎臓の状態も踏まえて薬を選ぶ治療が広がっています。

GLP-1受容体作動薬

血糖に応じてインスリンの分泌を促すなどして血糖を改善し、食欲を抑える作用などによる体重減少でも注目されています。肥満を伴う2型糖尿病では、体重管理も考慮した選択肢になります。ただし、効果の程度は薬や人によって異なり、糖尿病用と肥満症用の製剤では適応・用量が異なります。吐き気、嘔吐、便秘などに注意し、食が細い方では栄養状態も確認します。

SGLT2阻害薬

腎臓で糖が再吸収されるのを抑え、尿へ糖を出すことで血糖を下げる薬です。一部の薬では、心不全の悪化や腎臓病の進行を抑える効果が示され、糖尿病のない方の慢性心不全・慢性腎臓病にも、適応に応じて使われています。すべての薬・患者さんで同じ効果を見込めるわけではなく、腎機能などを確認して選びます。脱水、性器・尿路感染症、まれに血糖がそれほど高くなくても起こるケトアシドーシスに注意が必要です。食事が取れない日や発熱時の休薬・受診の目安も、あらかじめ確認しましょう。

治療後の目標値も一律ではありません。年齢、合併症、低血糖の危険性、日常生活の状況などを踏まえて設定します。診察では「自分の目標はどのくらいか」「次にいつ検査するか」「食べられない日や発熱時に薬をどうするか」を確認しておくと安心です。困ったことを相談しながら、続けられる方法を一緒に探していきましょう。

通院の間隔や薬の回数が負担になっている場合も、遠慮なくお伝えください。仕事や家事を続けながら治療するための相談も診療の一部です。体調がよくなったあとも、次回の検査で経過を確認しましょう。数値の改善だけでなく、低血糖なく過ごせているか、食事や活動を無理なく続けられているかも振り返ります。

まとめ:健診結果を、生活を変える相談の入口に

血糖値は採血時点、HbA1cは少し長い期間の血糖の状態を知る手がかりです。症状がなくても、高い値や上昇傾向を指摘されたら、結果表をしまい込まずご相談ください。食事や運動で取り組めることと、検査・薬による対応が必要なことを分けて考えることが大切です。

みらいメディカルグループでは、内科・糖尿病内科で血糖のお悩みや健診後のご相談を受け付けています。今回と過去の健診結果、お薬手帳、体重の変化や食事のメモがあればご持参ください。記録を完璧にそろえる必要はありません。対応クリニック・診療日時は、公式の糖尿病内科案内をご確認ください。

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