尿酸値が高いと言われたら。痛風になる前に見直したい食事・お酒・治療のこと

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尿酸値が高いと言われたら。痛風になる前に見直したい食事・お酒・治療のこと

2026.10.31

水のグラスと聴診器、観葉植物を配した尿酸管理のイメージ

健診結果に「尿酸値が高い」と書かれていても、痛くないからと後回しにしていませんか。尿酸値の高さと、足の親指などが激しく痛む痛風は、同じ状態を指す言葉ではありません。症状がない段階から数値の推移と体の状態を確認することが、これからの対策につながります。

「ビールを焼酎に変えれば大丈夫」「食事を我慢すれば薬はいらない」といった思い込みにも注意が必要です。食事や飲酒の見直しは大切ですが、尿酸を排出する力には個人差があります。生活を整えても高い状態が続く方を、努力不足と考える必要はありません。今回は、健診で指摘されたときの考え方と、毎日の工夫、治療の相談どきを整理します。

1)尿酸値が高いことと、痛風の発作は別です

尿酸は、体内でプリン体が分解されるときに生じる物質です。プリン体は食品だけでなく、もともと私たちの体にも含まれています。尿酸がつくられる量と、体外へ出される量のバランスが崩れると、血液中に増えていきます。

血清尿酸値が7.0mg/dLを超えた状態を、高尿酸血症と呼びます。高い状態が続くと尿酸塩の結晶が関節などに蓄積し、その結晶に対する炎症で痛風発作が起こります。ただし、7.0を超えた方全員に発作が起きるわけではなく、数値の高さや持続期間、体質などが関係します。

典型的には足の親指の付け根が急に赤く腫れ、強く痛みます。足首や膝に起こることもあります。痛みが治まっても、結晶までなくなったとは限りません。「もう歩けるから治った」と判断せず、その後の管理についても相談することが大切です。

2)食べ過ぎだけが原因ではありません

尿酸値には、遺伝的な体質、腎機能、体重、飲酒、食事、服用薬などが関係します。腎臓は尿酸を尿へ排泄する重要な臓器です。慢性腎臓病などで腎機能が低下すると、尿酸を体外へ出す力も低下し、血液中にたまりやすくなります。つくられる量が多くなくても、排泄が減ることで尿酸値が上がるのです。食事を控えるだけでは十分に下がらない場合もあります。尿酸高値が続く方は、クレアチニンやeGFR、尿蛋白なども確認し、腎機能を含めて評価します。ただし、尿酸値が高いだけで腎機能低下があるとは限りません。

利尿薬など、治療に必要な薬が尿酸値に影響することもあります。薬の変更は、血圧や心臓、腎臓の状態も考えて判断するため、自己判断で中止しないでください。受診時には処方薬だけでなく、市販薬やサプリメントもわかるようにしておくと役立ちます。

男性に多い病気ですが、女性も無関係ではありません。閉経後は女性ホルモンの変化に伴い尿酸値が上がりやすくなります。また、高血圧や脂質異常症、糖尿病、肥満などを伴う方では、尿酸値だけでなく全身の健康状態を一緒に確認します。尿酸を下げれば、すべての心血管病や腎臓病を防げるという意味ではありません。

お酒を飲まない方も、睡眠時無呼吸にご注意を

飲酒習慣がない方でも、尿酸値が高くなることがあります。その背景の一つとして確認したいのが、閉塞性睡眠時無呼吸症候群です。睡眠中に気道が塞がり、呼吸が止まる・浅くなることを繰り返すと、体内の酸素が不足します。この間欠的な低酸素によって、細胞のエネルギー源であるATPの分解が進み、尿酸の産生が増える仕組みが考えられています。

睡眠時無呼吸と尿酸値の高さには関連が報告されています。ただし、肥満や腎機能など共通する要因もあり、尿酸値だけで原因は判断できません。CPAPなどによる治療で、尿酸値が必ず正常になるとも限りません。

「お酒を飲まないのに尿酸値が高い」「食事を見直しても下がりにくい」という方で、大きないびき、無呼吸の指摘、日中の眠気、起床時の頭痛があれば、当グループへご相談ください。問診に加え、必要に応じて自宅で呼吸や酸素の状態を調べる簡易睡眠検査をご案内します。

3)食事は「禁止を増やす」より、量と組み合わせを

白子やレバー、干物など、プリン体の多い食品を頻繁に大量に食べている場合は、回数と一回量を見直しましょう。一方で、肉や魚をすべて抜くような極端な制限はおすすめしません。筋肉や体力を保つための栄養も必要です。

例えば、夕食の大皿のおかずを一人分に取り分ける、主食・主菜・副菜をそろえる、揚げ物や夜食が重なる日を減らす、といった工夫から始められます。食べたものを数日記録すると、自分では気づきにくい間食や量の偏りが見えてきます。これは生活を責めるためではなく、変えやすい点を探すための記録です。

甘い清涼飲料水や加糖飲料を日常的に飲む習慣にも目を向けてください。まず一本を水や無糖のお茶に置き換える方法をご提案します。果物もジュースで大量にとるのではなく、食事全体の中で適量を楽しみましょう。腎臓病などで食事の制限がある方は、その指示に合わせて調整します。

4)お酒は種類を替えるだけでは不十分です

ビールのプリン体が気になる方は多いと思いますが、アルコールそのものにも尿酸値を上げる作用があります。焼酎やウイスキー、プリン体を減らしたお酒に替えても、量が多ければ対策として十分とはいえません。

大切なのは、一回の飲酒量と飲む頻度の見直しです。家で飲む分を先に決める、おかわりの前に水を飲む、飲まない日をつくるなど、続けられる方法を選びましょう。休肝日を設けても、その分を週末にまとめて飲んでよいわけではありません。発作を繰り返す方は、より慎重に相談する必要があります。

水分は一度に大量に飲むより、日中こまめにとることを意識します。汗をかく運動や入浴の前後にも、水分不足に注意しましょう。ただし、心不全、進行した腎臓病、透析などで水分制限がある方は、一般的な「水をたくさん飲む」という助言をそのまま当てはめず、主治医の指示を優先してください。

5)体重はゆっくり整え、運動は無理なく

肥満がある方では、食事と運動を組み合わせた体重管理が役立ちます。短期間で大きく体重を落とすことより、長く続けられる食事量と活動量を見つけることを目標にしましょう。自己流の断食や極端な食事制限は避けてください。

運動は、会話ができる程度の歩行などから始めます。まとまった時間がとれなければ、近所を短時間歩く、移動の一部を徒歩にするなど、体調に合わせて少しずつ増やす方法でも構いません。慣れない激しい運動や、汗を大量にかいて水分をとらない行動は控えましょう。

関節が腫れて痛む発作中は、痛みをこらえて歩いたり、運動で改善しようとしたりしないでください。運動を休むことと、長期的に活動を減らし続けることは別です。炎症が落ち着いてから、安全な再開時期を相談しましょう。

6)痛みを抑える治療と、尿酸を下げる治療

発作時には、炎症と痛みを抑える薬を使います。非ステロイド性抗炎症薬、コルヒチン、ステロイドなどから、腎機能、胃腸の病気、飲み合わせなどを考慮して選びます。市販の鎮痛薬を何種類も重ねたり、家族の薬を使ったりすることは避けてください。

一方、尿酸を下げる薬は、結晶の蓄積を減らし、将来の発作を防ぐための治療です。痛風のある方では、血清尿酸値6.0mg/dL以下を目安に管理することがあります。診断の基準となる7.0mg/dLと、治療中に目指す数値は意味が異なります。

尿酸を下げる薬には、大きく分けて「産生を抑える薬」と「排泄を促す薬」があります。尿酸産生抑制薬は、尿酸をつくる酵素の働きを抑えます。アロプリノールやフェブキソスタットなどが代表的です。尿酸排泄促進薬は、腎臓で尿酸が血液中へ戻る再吸収を抑え、尿への排泄を増やします。

薬は尿酸値だけでなく、腎機能、尿路結石の有無、肝機能、飲み合わせなどで選びます。排泄を促す薬では尿中の尿酸が増えるため、結石への注意も必要です。「新しい薬だから誰にでも最適」とは限らず、体の状態に合わせて選択・調整します。

発作を繰り返す方、痛風結節がある方、腎機能低下や尿路結石がある方などでは、薬による管理を積極的に検討します。発作のない高尿酸血症では、数値の程度と持続、合併症を踏まえて治療の必要性を判断します。健診の一つの数値だけで、全員に同じ薬を始めるものではありません。

尿酸降下薬は少量から調整することが多く、開始後に発作が起こる場合もあります。薬が合わないと決めつけて中断せず、対応を相談してください。すでに服用している方も、発作時や数値が改善したときに自己判断で増減・中止せず、定期的な採血で効果と安全性を確認しましょう。

7)初めての強い痛みは、痛風と決めつけずに受診を

初めて関節が赤く腫れた、痛くて歩けない、発熱を伴うといった場合は、早めに受診してください。関節の感染症など、別の病気との区別が必要です。特に発熱と強い腫れがある場合は、その日のうちに医療機関へ相談しましょう。

受診まで無理に動かさず、患部を保護して休みます。冷やす場合は保冷剤を布で包み、直接皮膚に当て続けないようにしてください。強い背中・脇腹の痛みや血尿がある場合も、尿路結石などの評価が必要です。

痛みがなくても尿酸値の高い状態が続く方は、次の健診まで放置せず、再検査の時期を相談しましょう。過去の健診結果、薬の一覧、発作の時期や部位のメモをご持参いただくと、経過を把握しやすくなります。

まとめ:数値と生活の両方から、続けられる対策を

尿酸値の管理は、食べ物一つを禁止するだけでは完結しません。飲酒量や甘い飲み物、食事量、体重、水分、薬の影響などを見直し、必要に応じて治療を組み合わせます。痛みがない時期こそ、無理のない対策を始める機会です。

みらいメディカルグループの内科では、健診での異常や生活習慣病についてご相談をお受けしています。尿酸値の指摘が気になる方は、健診結果をご持参のうえご相談ください。診療日や担当医は各院の案内をご確認ください。

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